ヤマハとヤマハ発動機は、「Two Yamahas, One Passion~デザイン展2015~」
(2015年7月3~5日、六本木ヒルズ)を合同で開催。

同年3月にフランスのデザインイベント「第9回サンテティエンヌ国際デザインビエンナーレ2015」に共同出展した「project AH A MAY」の作品などを公開した。

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project AH A MAY(プロジェクト アーメイ、YAMAHAの逆読み)は、普段は楽器をデザインするヤマハと、二輪車や電動アシスト自転車などをデザインするヤマハ発動機が、互いのデザインフィールドを交換して、生産・商品化の制約に縛られることなく、それぞれの作法や考えでデザインを提案するというプロジェクトだ。

ヤマハがデザインしたのは二輪車「√(ルート)」と電動アシスト自転車「O±O(オープラスマイナスオー)」。ヤマハ発動機がデザインしたのはドラムス「RAIJIN(God of the Thunder)」とマリンバ「FUJIN(God of the Wind)」である。

初日の7月3日に開催されたメディア向け懇親会では、ヤマハのデザイン研究所 所長の川田学氏、ヤマハ発動機の執行役員 デザイン本部 本部長の長屋明浩氏が参加し、プロジェクト アーメイについて説明した。

川田氏は、「長屋氏がヤマハ発動機のデザイン本部のトップに就任し、ヤマハにあいさつに来た時、ファーストコンタクトの時点からこのプロジェクトは始まっていた。YAMAHAのような音楽と乗り物の両方を展開するブランドは、世界に唯一無二のもの。その両社がデザインでコラボレーションするといのは願ったりかなったり」と語る。

一方の長屋氏は、「デザインというと市場調査から始まることが多いが、それより前に己を知ることが重要だ。今回のプロジェクト名のAH A MAYは『YAMAHA』を鏡に映した状態。己の姿を鏡に映して、それを見ることで己の姿を知っていくという意味がある。ヤマハが乗り物を、ヤマハ発動機が楽器をデザインすることで、互いに己を知るきっかけになればと考えた」と述べた。

その後、プロパーカッショニストによるFUJINとRAIJINの演奏が行われた後、川田氏が「VOCALOID KEYBOARD」(ヤマハが開発中)で、楽器演奏が趣味という長屋氏がサックスとトランペットで参加してのセッションも披露された。

http://monoist.atmarkit.co.jp/mn/articles/1507/06/news033.html

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「√(ルート)」は、ライダーの目前から計器類を排除し、視線の先が風景と一体になるようにした二輪車。シートからタンク上まで流れるようなフォルムは馬をモチーフとしており、人と自然と乗り物の一体感を目指した

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電動アシスト自転車「O±O(オープラスマイナスオー)」

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ドラムス「RAIJIN(God of the Thunder)」は、ドラム楽器の中で暴れまわるように演奏できる球体構造で、演奏者を中心に噴出するエナジー、増幅する音世界を視覚化できるという

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「FUJIN(God of the Wind)」は2人で演奏するマリンバ。二輪車の前席と後席をイメージさせるシートに2人の演奏者が座ってマリンバを奏でる。円形に配置された鍵盤は、演奏者を中心に回すことができる

「FUJIN」と「RAIJIN」の演奏に、川田氏と長屋氏が参加してのセッションの様子
https://youtu.be/l272Egqhiy8